
昔、同棲していた彼女が弁当を作ってくれていた。
ある日、珍しく寝過ごした彼女が持たせてくれた弁当は、食パン2枚とハムと小さなマヨネーズ、それにバナナ一本とトマトジュースだった。
いや無理矢理持たせなくても昼食べる場所はいっぱいあるし、もうこれ弁当じゃないしと苦笑しながら食ったのを覚えている。
アメリカのハイスクールみたいなやと、同僚が突っ込んできて、巧いこと言うなと思ったっけ。
寝起きにテーブルにあったこれを見て、そんなことを思い出した。
あれから何年過ぎたのか、今のぼくにはもう分からない。
目を閉じても、彼女の顔さえ思い出せない場所に来てしまった。
だけど緑色のバンダナに包まれた、食パンやバナナのことは、曖昧だけれど思い出せる。
大切なものを失って、どうでもいいものだけが残っているぼくの人生。
これから大事なものを捨てていくんだろう。
大事なものの数はどんどん少なくなっているから、いつか捨てるものさえも失うんだろうね。

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Amazon Kindle写真集「韓国の女子大生」、本日発売です。
嫌韓なんて言葉はまだなく、韓流なんてブームもなかった頃の韓国で撮りました。
2004年、デジイチ買ってもらってすぐなので、クオリティは控えめです。
量産型整形美人は一人もいません。

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