
Papa LIFE.更新しました。
まだ生まれません。
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味ではなく、人柄で勝負するという、まったく新しいスタイルのラーメン屋がある。
もう10年以上、潰れずに続いているのが不思議な店。
夫婦でやってるんだけど、オッサンがとにもかくにも慇懃無礼。
そして能書きが異常に多い。
スープがどうした麺がどうしたと、店中に貼り紙があるだけでなく、油断したらオヤジの独演会が始まる。
その世界観に味がまったく追いついてない。
10年以上前、まだ地下のこのエリア、携帯が圏外だった頃に、「うちはそんな店じゃない!忙しいから切るぞ!」と、取材電話を断る小芝居を、オヤジはかなりの頻度でやっていた。
なのに、一度取材されたら、もう舞い上がっちゃって、今は芸能人の写真だ色紙だと、壁に貼ってある。
ここ圏外ですよとは、当時誰も突っ込まなかったのだろうか?
初めての客には「うちのスープは最後の一滴まで飲めるでしょ!?」と、強引に完食を勧めるが、残さず飲むのは、かなり厳しい。
だって美味しくないんだもの。
自慢のスープも麺もチャーシューもシナチクも干からびたネギも何もかも、調和しようとしない。
丼の中で、それぞれがそれぞれの主張をしている。
どう考えてもちょっと高いインスタント麺に負ける味。
それでも客はそこそこ入っている。
たぶんみんな、オッサンと母ちゃんのファンなのだ。
ラーメンを食べに通うのではなく、夫婦を眺めてるだけ。
オッサンの唯我独尊ぶりも滑稽だが、まかないのラーメンを食べる時の、やっぱり美味しい!あったまる!という、嫌味なほどの母ちゃんの援護射撃もまた、この店の魅力なのだ。

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